応急処置はRICEからPEACE & LOVEへアップデート

2026年8月2日日曜日

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「捻挫や打撲にはRICE処置(冷やして安静)」と覚えている方も多いのではないでしょうか?ケガをしたらRICE処置というのが長年の定番でしたが、
最近では「PEACE & LOVE(ピース&ラブ)」というケアの考え方もあります。
数年前からスポーツ医学の現場などで広まっている考え方ですが、「過度に冷やしすぎず、状態に合わせて早期に動かしていく」という点がポイントになっています。

RICE処置というのは、Rest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の4つの単語の頭文字を取った言葉でしたね。
それが近年アップデートされて「PEACE & LOVE(ピース&ラブ)」が提唱されています。

傷ついた直後:PEACE
保護(Protect)・挙上(Elevate)・抗炎症の回避(Avoid)・圧迫(Compress)・教育(Educate)
炎症は体が治ろうとする大切なプロセス。過度なアイシングや痛め止めで炎症を抑えすぎないことが推奨されています。

数日経過後:LOVE
適切な負荷(Load)・楽観思考(Optimism)・血流量の増加(Vascularisation)・運動(Exercise)
痛みの出ない範囲で少しずつ動かし、血流を良くして回復を促します。

PEACE & LOVE の詳細
「PEACE & LOVE」は、受傷直後の応急処置(PEACE)と、回復期の管理(LOVE)の2段階に分けられています。

1. 急性期(受傷直後):PEACE

P(Protect / 制限・保護)
受傷後数日間は痛みを伴う動作を避け、患部を保護します。

E(Elevate / 挙上)
患部を心臓より高い位置に保ち、余分な腫れを防ぎます。

A(Avoid anti-inflammatory modalities / 抗炎症手段の回避)
ここが従来のRICEと最も異なる点です。 炎症反応は組織修復に必要なプロセスのため、氷(アイシング)や抗炎症薬(NSAIDs)の過度な使用を避けます。
※アイシングが完全に禁止されたわけではありません。激しい痛みに対する短時間の除痛目的(鎮痛効果)としては現在も有用とされていますが、「腫れを抑えるために冷やし続ける」という処置は見直される傾向にあります。

アイシングを行なう場合は痛みを和らげる(除痛効果)目的に絞る。
受傷直後に10分冷やし、20分外し、必要に応じて1〜2回繰り返す程度にとどめる。
受傷後6時間を過ぎたら冷却する理由はない。

C(Compress / 圧迫)
バンテージなどで適切に圧迫し、関節内の腫れや出血を抑えます。

E(Educate / 助言・教育)

受傷者に対して、受動的な治療だけに頼らず、自然治癒力やアクティブなリハビリの重要性を理解してもらいます。

2. 亜急性期(数日後〜):LOVE

L(Load / 負荷)
痛みの出ない範囲で早期から段階的に荷重・負荷をかけていきます。

O(Optimism / 楽観思考)
脳と回復の関連性が重視されており、前向きな姿勢を保つことが回復を促進するとされています。

V(Vascularisation / 有酸素運動・血流促進)
痛みのない範囲で有酸素運動を行い、患部への血流を増やして治癒を促します。

E(Exercise / 運動)
関節の動きや筋力、固有受容覚(バランス感覚)を取り戻すためのエクササイズを行います。

ただ、一般向けの応急処置ガイドラインなどでは、わかりやすさや安全性の観点から現在もRICEやPOLICE(Protection, Optimal Loading, Ice, Compression, Elevation)が教えられるケースも多く、現場や専門家によって判断の比重が多少異なる部分が存在します。

個人的にはRICE処置が覚えやすいので、【I】だけ少し考え方が変わったと認識して、過度なアイシングはしないように心がけています。

※1978年にRICE処置を提唱したゲイブ・ミルキン(Gabe Mirkin)医師自身が、2014年に「冷却や過度の安静は血液循環を阻害し、組織の修復(炎症プロセス)を遅らせる可能性がある」として、RICEに対する見解を修正しました。
※2014年の記事(およびその後の改訂論文・Web掲載)において、ミルキン医師はまさに以下のように具体的に言及しています。
「(アイシングで鎮痛を行う場合)10分間冷やし、20分外し、それを1〜2回繰り返す程度でよい。受傷から6時間が経過した後は、冷やす理由は一切ない」

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